⚠️ はじめに:この記事はモデルコースではありません
ロシアは、2026年5月時点で全土に「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が出ています。ウクライナとの国境周辺は「レベル4:退避してください」です。
モスクワもサンクトペテルブルクも、日本に近いウラジオストクも、すべてレベル3の地域です。
そのため本記事では2泊3日モデルコースは掲載していません。
この記事は「行ける状況になったときのための下調べ」としてまとめたものです。
ロシアは「日本からいちばん近いヨーロッパ」がある国でした。
成田から約2時間半で着く港町ウラジオストク。たまねぎ形のカラフルなドームが並ぶモスクワ、運河と宮殿の古都サンクトペテルブルク、世界でいちばん深いバイカル湖。週末に行ける「ヨーロッパ」として、日本人の家族連れにも人気が高まっていた国です。状況が変わったのは2022年でした。

「危ないから行けない」だけじゃなく、「飛行機もカードも使えなくて、旅そのものが成り立たない」。ロシアはそういう状況なんです
この記事でわかること
- 1 いまロシアに行けない理由(危険情報と地域の区分)
- 2 「旅として成り立たない」3つの理由(直行便・カード・現金)
- 3 サウジアラビア・ミャンマーとの違い
- 4 情勢が落ち着いたら訪れたい4エリア
- 5 その間に行ける、似た魅力のある国
Contents
いま行けない理由:地域別の危険情報

| レベル | 意味 | 対象地域 |
|---|---|---|
| レベル4 | 退避してください。 渡航は止めてください (退避勧告) | ウクライナとの国境周辺地域 |
| レベル3 | 渡航は止めてください (渡航中止勧告) | 上記以外の全土 (モスクワ、サンクトペテルブルク、ウラジオストク、バイカル湖周辺などを含む) |
外務省は2025年9月、「真にやむを得ない事情がある場合」に限り、ウクライナに隣接する州や北カフカス地方の一部を除く地域(モスクワ市を含む)への渡航・滞在を妨げないとする記述を加えました。ただしその場合も、特別な注意を払い、現地の日本大使館・総領事館と緊密に連絡を取ることが求められています。
家族旅行は「真にやむを得ない事情」にはあたりません。危険情報のレベルそのものは、全土がレベル3以上のままです。

「旅として成り立たない」3つの理由
ロシアの場合、危険情報に加えて、旅行に必要な仕組みそのものが止まっています。子連れの旅では、どれかひとつでも大きな問題になるものばかりです。
✈️ ① 日本との直行便が運休中
日本とロシアを結ぶ直行便は、2022年以降運休が続いているとされます。EU諸国とロシアが互いに領空の通過を禁じる措置もとられ、現在はトルコ、UAE、カタール、中国、ウズベキスタンなどの航空会社を経由するしかありません。さらに、情勢次第ではロシアから出国する手段が制限される可能性も指摘されています。「帰りの便が確実にある」ことが、子連れの旅では何より大切です。
💳 ② 日本のクレジットカードが使えない
ロシア国内では、VISAやMastercardなど海外で発行された国際クレジットカードの決済が停止されています。ホテル代も食事代も、急な病院の支払いも、カードに頼ることができません。銀行間の国際送金にもさまざまな制限があるとされ、万一お金が足りなくなっても、日本から送ってもらうことが難しい状況です。
💵 ③ 現金の持ち込み・持ち出しにも制限
カードが使えないなら現金で、と考えても、外貨の現金には日本・ロシアの双方で持ち込み・持ち出しの制限が設けられています。滞在中の費用をすべて現金で持ち歩くことになり、子連れの旅としては防犯上も大きな負担です。
サウジアラビア・ミャンマーとの違い
| 国 | 状況 | ポイント |
|---|---|---|
| サウジアラビア | 地域によってレベルが違う | 一部の地域を除けば、観光の仕組みは動いている |
| ミャンマー | 全土がレベル2以上 | 国内の情勢が理由。レベル1の地域がない |
| ロシア | 全土がレベル3以上 | 危険情報に加えて、直行便・カード決済・送金が止まり、旅の仕組みそのものが成り立たない |
ロシアは、このシリーズで扱ってきた国の中でも、もっとも「行けない」理由が重なっている国です。レベル3は「渡航は止めてください」。レベル2の「不要不急の渡航は止めてください」よりも、一段強い呼びかけです。
なぜこの状況になったのか
2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵略を開始して以降、外務省はロシアの危険レベルを引き上げました。ウクライナとの国境周辺では砲撃などによる被害が発生し、危険な状況が続いているとされます。
あわせて、各国がロシアに対してさまざまな措置をとり、航空路線、国際的なカード決済、送金といった、旅行に欠かせない仕組みが大きく制限されました。この記事では情勢そのものの評価には立ち入らず、「子連れの家族旅行として、いまどういう状況か」に絞ってお伝えしています。
情勢が落ち着いたら訪れたい4エリア
📌 ここから先は「いつか行く日」のための資料です
いずれの地域も、現在はレベル3(渡航中止勧告)です。渡航をおすすめするものではありません。

ロシアは、西の端から東の端まで、時差が10時間以上ある広大な国です。モスクワからウラジオストクまで、シベリア鉄道で約9,000km、約7日間。「ひとつの国」といっても、どこへ行くかでまったく違う旅になります。
① モスクワ|たまねぎ形のドームの首都
赤の広場に建つ、たまねぎ形のカラフルなドームが並ぶ大聖堂は、まるでお菓子の国のお城です。クレムリンの城壁、宮殿のように装飾された地下鉄の駅。「地下鉄の駅がこんなにきれいなの?」と、子供も大人も驚く街です。
② サンクトペテルブルク|運河と宮殿の古都
運河が縦横に走り、川沿いに緑と白の宮殿が建つ、ヨーロッパ的な古都です。宮殿を使った世界屈指の美術館や、郊外の噴水がいくつも並ぶ庭園。初夏には夜になっても空が明るい「白夜」が訪れ、夜の11時でも子供が「まだ明るいよ!」とはしゃぐ季節です。
③ バイカル湖|世界でいちばん深い湖
シベリアの森に囲まれた、世界でいちばん深く、透明度の高い湖です。冬になると湖面が凍り、青く透き通った氷が一面に広がります。シベリア鉄道の旅の途中に立ち寄る場所としても知られていました。
④ ウラジオストク|日本からいちばん近いヨーロッパ
かつては成田から約2時間半。坂の多い港町に、ヨーロッパ風の建物が並ぶ街並みは、「短い飛行時間でヨーロッパの雰囲気を味わえる」と、子連れの家族にも人気でした。シベリア鉄道の終着駅でもあります。直行便が再開される日が来れば、子連れの旅先として真っ先に候補にあがる街だと思います。
【重要】どうなったら検討していいか
✅ 子連れで検討するための4つの目安
- ① 行きたい地域の危険情報が「レベル1」以下になる
レベル3・2のうちは、家族旅行は検討しない。 - ② 日本との直行便が再開される
帰りの手段が確実にあることが、子連れには何より大切です。 - ③ 日本のクレジットカードが使えるようになる
万一の病院代まで現金で持ち歩くのは、現実的ではありません。 - ④ 旅行会社が家族向けのツアーを再開する
多くの人が安心して行ける状況になったかどうかの、分かりやすい目安です。
このうちひとつだけではなく、少なくとも①〜③がそろってから、と考えておくと安心です。
いま情報を追うなら
- 外務省 海外安全ホームページ:危険情報のレベルと、地域ごとの区分
- 在ロシア日本国大使館・総領事館:現地の最新の注意喚起
- 日本の航空会社の運航情報:直行便の再開の知らせ
- クレジットカード会社の案内:ロシアでの決済の再開
その間に行ける、似た魅力のある国
ロシアの魅力の一部は、近くの国でも味わえます。当ブログのモデルコースと合わせてどうぞ。
| こんな魅力を味わいたいなら | おすすめの国・街 |
|---|---|
| 金色やたまねぎ形のドームの教会 | ブルガリア(ソフィア):金色のドームの大聖堂 エストニア(タリン):丘の上にたまねぎ形のドームの大聖堂 |
| 運河と宮殿、白夜 | フィンランド(ヘルシンキ)・スウェーデン(ストックホルム):夏は夜まで明るい北欧の港町 |
| 装飾の美しい建物の街並み | ラトビア(リーガ):顔の彫刻が並ぶアールヌーヴォーの建築街 |
| シベリアのような大草原と鉄道の旅 | モンゴル(ウランバートル):どこまでも続く草原とゲル |
| 短い飛行時間でヨーロッパの雰囲気 | 近い地域では、ジョージアやアゼルバイジャンなどコーカサスの国も選択肢に(最新の危険情報を確認のうえで) |
よくある質問
まとめ
ロシアは2026年5月時点で全土がレベル3(渡航は止めてください)以上です。それに加えて、日本との直行便は運休、日本のクレジットカードは使えず、送金や現金の持ち込みにも制限があります。子連れの家族旅行として、いまは「行く時期ではない」国です。
それでも、たまねぎ形のドーム、運河と宮殿、世界一深い湖、そして日本からいちばん近いヨーロッパ。いつか安心して行ける日が来たときのために、この記事を下調べとして残しておきます。

ウラジオストクへの2時間半のフライトが、また気軽に選べる日が来ますように。そのときは、この記事を更新します

