リヒテンシュタインは「行ったことがある人がほとんどいない国」です。
面積は約160km²で、日本でいえば小豆島ほど。人口は約4万人。国内に空港も鉄道駅もなく、スイス側からバスで入国します。でもそこには、丘の上に本物の君主が住む城があり、切手の国として知られた歴史があり、王室のぶどう畑が広がっています。
ℹ️ この記事は「1泊2日」で組んでいます
リヒテンシュタインは国全体がとても小さく、見どころも中心部に集まっています。2泊3日だと持て余す可能性が高いので、この記事では1泊2日のコースにしました。
スイスやオーストリアの旅程に1泊足すという使い方が、この国にはいちばん合っています。
この記事でわかること
- 1 子連れリヒテンシュタイン1泊2日の全体スケジュール
- 2 空港も鉄道駅もない国への行き方
- 3 記念パスポートスタンプという子供向けの楽しみ
- 4 チューリッヒ空港でのカード詐欺への注意
- 5 スイス・オーストリア旅程への組み込み方

「行った国の数」を数えている家族には、たまらない1泊だと思う。しかも中身がちゃんとある小国なんです
リヒテンシュタインのまとめページはこちらから▷▷▷
Contents
このモデルコースはこんな人向け
「そもそもどうやって行くの?」
「1泊2日で足りる?」
「子供が楽しめるものはある?」
全部に答えます。この記事はこんな方向けです。

- スイスやオーストリアの旅程に1か国足したい家族
- 4歳〜小学生(歩く場面があります)
- 「行ったことのない国」に惹かれる家族
- 人が少なく、のんびりした場所が好きな家族
- 切手やお城が好きなお子さんがいる家族
本記事では、実際に子連れ旅行を何度もしてきた筆者が、そのまま丸かぶりで真似できる1泊2日モデルコースをご紹介します。時間ごとのタイムライン・トイレ&授乳室情報・ベビーカー可否まで全部まとめました。

ほんとうの王さまがお城に住んでるの!?パスポートにスタンプ押してもらえるの!?
| 旅行日数 | 1泊2日(スイス・オーストリア旅程に組み込む前提) |
| おすすめ年齢 | 4歳〜小学生 |
| 予算 | 大人1人 約4万円〜(現地1泊2日分・航空券別) |
| 移動 | 鉄道(スイス側)+バス+徒歩 |
| ベビーカー | △(市街は◎/城への坂道は×) |
| 疲れにくさ | ★★★★☆(街は小さいが城は上り坂) |
リヒテンシュタインには空港も鉄道駅もありません。スイスのチューリッヒ空港から入るのが一般的で、鉄道でサルガンス駅まで約1時間、そこからバスで約30分。車なら空港から直接約1時間15分です。公用語はドイツ語、通貨はスイスフラン。シェンゲン圏内なので入国審査はなく、気づかないうちに国境を越えます。
モデルコース全体図

| Day1 到着日 | チューリッヒ → サルガンス駅(鉄道1時間)→ バスでファドゥーツ(30分)→ シュタットレ散策 → 郵便切手博物館&記念スタンプ → 美術館 |
| Day2 最終日 | 王室のぶどう畑 → ファドゥーツ城へ徒歩(30分の上り坂)→ 【任意】マルブン(山の村) → サルガンス経由で帰路 |
ポイントは「Day1の午後に到着して、Day2の午後に出る」という組み方。実質1日弱で回れる国なので、これで十分に満喫できます。
Day1|到着日はファドゥーツ市街

チューリッヒ → サルガンス駅
📷(写真:車窓から見えるスイスの山並み)
ポイント:リヒテンシュタインには空港も鉄道駅もありません。スイス側のサルガンス駅が実質的な玄関口です。チューリッヒから鉄道で約1時間、車窓の景色そのものが観光になります。スイスの鉄道は定時運行なので、乗り継ぎも計算どおりに進みます。
子供向け情報:車内にベビーカースペースあり
移動:チューリッヒ中央駅または空港駅から直通列車
バスでファドゥーツへ(国境越え)
ポイント:サルガンス駅前からリヒテンシュタイン行きのバスが出ています。約30分。シェンゲン圏内なので入国審査はなく、いつの間にか国境を越えています。「気づいたら違う国にいた」という体験は、子供には不思議で面白いもの。バスの時刻は事前に確認しておきましょう(本数は多くありません)。
ベビーカー:○ バスは乗車に対応しています
子供向け情報:ライン川を渡ると、そこがリヒテンシュタインです
シュタットレ散策
📷(写真:歩行者専用のシュタットレ通り)
ポイント:ファドゥーツの中心は「シュタットレ」という歩行者専用の短い通り。美術館、博物館、観光案内所、カフェが、この通り沿いにほぼすべて集まっています。車が入らないので子供を歩かせても安心。徒歩15分ほどで端から端まで行ける規模で、首都の中心がこの短さというのが、この国らしさです。
トイレ:観光案内所・カフェを利用
ベビーカー:◎ 歩行者専用で平坦。押しやすい
子供向け情報:丘の上に城が見えます。「あそこに王さまが住んでるよ」と話せます
郵便切手博物館&記念スタンプ
📷(写真:色とりどりの記念切手)
ポイント:リヒテンシュタインは「切手の国」として知られてきました。小国の財政を支えた歴史があり、デザイン性の高い切手が世界中の収集家に愛されてきたという背景があります。博物館は入場無料で、規模は小さいながら見応えがあります。
そして観光案内所では、パスポートに押せる記念スタンプ(有料)があります。入国審査がない国なので、これが唯一の「来た証」。子供には最高の記念品になります。
トイレ:館内にあり
ベビーカー:◎ バリアフリー
子供向け情報:記念スタンプは観光案内所の営業時間内のみ。早めに行きましょう

記念スタンプは絶対に押してほしい。入国スタンプがない国だから、これがあるとないとで思い出が全然ちがうよ
Day2|最終日は城とぶどう畑

王室のぶどう畑
📷(写真:丘の斜面に広がるぶどう畑)
ポイント:城へ向かう道の途中に、王室が所有するぶどう畑が広がっています。きれいに並んだ畝が丘の斜面をつくる風景は、小さな国の豊かさを象徴するよう。ワインの販売所がある場合もあります(子連れなら外から眺めるだけでも十分です)。
ベビーカー:△ 畑の手前までなら押して行ける区間もあります
子供向け情報:畑の中には入らないこと。道から眺めましょう
ファドゥーツ城へ歩く
📷(写真:丘の上に建つファドゥーツ城)
ポイント:街を見下ろす丘の上に建つ、現在も君主が実際に住んでいる城です。だから内部は非公開。見学は門の前までですが、「本物の王さまが今も住んでいる城」というだけで子供には特別です。
市街から徒歩で約30分、ずっと上り坂です。ベビーカーには厳しいので抱っこ紐が安心。ただし登った先から見下ろすライン川の谷とアルプスの眺めは、この旅のハイライトになります。
トイレ:城には設備がありません。出発前に市街で済ませて
ベビーカー:× 勾配がきつく抱っこ紐が確実
子供向け情報:飲み物を持参。内部は非公開と先に伝えておくと、がっかりしません
【任意】マルブンへ
📷(写真:山あいの村マルブン)
ポイント:時間に余裕があれば、バスで約40分の山あいの村マルブンへ。標高1600m級に位置し、夏はハイキング、冬はスキー場になる小さなリゾートです。「小国にもちゃんと山のリゾートがある」という驚きがあります。ただし帰りのバスの時刻に注意。本数が限られます。
ベビーカー:△ 遊歩道は未舗装の場所があります
子供向け情報:山なので夏でも冷えます。上着は必須
サルガンス経由で帰路
ポイント:来た道を戻ります。バスで約30分+鉄道。バスの本数が多くないので、時刻は必ず事前に確認を。チューリッヒへ戻るのはもちろん、そのままオーストリアやスイス各地へ移動するのも便利です。お土産は切手、ワイン、リヒテンシュタインの紋章グッズが定番。
子供向け情報:サルガンス駅で乗り継ぎ時間に余裕をもたせましょう

この旅で泊まりたいホテル
⚠️ ファドゥーツはホテルの数が非常に少ないです。
人口4万人の国なので当然といえば当然ですが、ハイシーズンはすぐ埋まります。日程が決まったら、早めに押さえてください。
① ファドゥーツ市街のホテル
📷(写真:城を望むホテルのテラス)
| 子供向け度 | ★★★★★(見どころがすべて徒歩圏) |
| アクセス | シュタットレ・バス停へ徒歩圏 |
| 朝食 | ビュッフェ |
| プール | 宿による(要確認) |
| 添い寝 | ファミリールームあり(要確認) |
おすすめ理由:せっかく国内に泊まるなら、ここ一択です。ライトアップされた城を眺めながら過ごせる宿もあり、「この国に泊まった」という実感が得られます。数が限られるので、早めの予約が必須です。
② サルガンス・ブックス周辺(スイス側)に泊まる
| 子供向け度 | ★★★☆☆(選択肢が増えます) |
| アクセス | ファドゥーツへバスで約30分 |
| メリット | 宿の選択肢が多く、価格も抑えやすい |
| デメリット | 「国に泊まった」実感は薄れます |
おすすめ理由:ファドゥーツの宿が取れなかった場合の現実的な代替案です。スイス側なら選択肢が格段に増えます。ただし夜のファドゥーツを楽しめない、朝いちばんに動けないという点は割り切りが必要。「どうしても国内に泊まりたい」なら、早めの予約を優先してください。
子連れにおすすめの食事
リヒテンシュタイン料理はスイス・オーストリア・ドイツ南部の影響が混ざった、中欧系の味。辛い料理がなく、チーズ・じゃがいも・肉が中心なので、日本の子供でも食べやすいメニューがそろっています。
- ケーゼクノップフレ:チーズをからめた小さなパスタ団子。この国の郷土料理で、子供に人気です
- レシュティ:じゃがいものガレット。スイス同様よく食べられます
- シュニッツェル:肉のカツレツ。子供が安心して食べられる一皿
- ソーセージ類:手軽に済ませたいときに便利です
- 地元のワイン:王室のぶどう畑で作られるワインも。お土産にも
水道水はそのまま飲めます。レストランの数も限られるので、夕食の場所は早めに決めておくのが安心です。
【注意】チューリッヒ空港でのカード詐欺
リヒテンシュタイン自体は治安のいい国で、危険情報も出ていません。ただし外務省は、「リヒテンシュタインへの旅行者がよく利用するチューリッヒ空港でのクレジットカード詐欺」を具体的に挙げています。
🚨 実際に報告されている手口
日本人の名を名乗る見知らぬ人物から、
「フライトがキャンセルになったので航空会社に電話したい。クレジットカードを持っていないので、現金と引き換えにカードを使わせてほしい」
と依頼される。カードを渡したところ、知らないうちに同種のカードにすり替えられ、後日不正使用されていた。
✅ 対策はひとつだけです。
どんな理由であれ、クレジットカードを他人に渡さないこと。
「日本人だから」「困っているから」という気持ちにつけ込む手口です。子連れだと親切にしたくなる場面も多いですが、カードだけは別と決めておきましょう。
子連れリヒテンシュタインで失敗しないコツ
- ホテルは早めに押さえる:数が非常に少なく、ハイシーズンはすぐ埋まります
- バスの時刻を事前に確認:本数が多くないので、乗り遅れると待ち時間が長くなります
- 記念スタンプは観光案内所の営業時間内に:これを逃すと「来た証」がなくなります
- 城は内部非公開と先に伝えておく:「中に入れる」と思っていると、子供ががっかりします
- 城への道は上り坂30分:歩きやすい靴と飲み物を。ベビーカーは厳しいです
- 通貨はスイスフラン:ユーロが使える店もありますが、お釣りはフランで返ってきます
- ベストシーズンは5〜9月:城への道も歩きやすく、マルブンのハイキングも楽しめます
スイス・オーストリア旅程への組み込み方
リヒテンシュタインだけを目的に行く人は、あまりいません。周辺国の旅程に1泊足すのが、この国の正しい使い方です。
| 組み合わせ | ポイント |
|---|---|
| チューリッヒ+リヒテンシュタイン | いちばん手軽。鉄道+バスで往復でき、2泊3日+1泊で組めます |
| スイス周遊の途中に | サルガンスは東スイスの結節点。ルツェルンやサンモリッツ方面とつながります |
| オーストリアへ抜ける | 国境が近く、インスブルック方面へ移動しやすい立地です |
当ブログのチューリッヒ2泊3日の記事と合わせると、3泊4日でスイス+リヒテンシュタインが回れる形になります。
旅行費用の目安(家族3人・1泊2日)
| 項目 | 料金目安 |
|---|---|
| ホテル(1泊) | 約35,000〜80,000円 |
| 往復の交通費(鉄道+バス・3人) | 約20,000〜30,000円 |
| 食費(3人・1泊2日) | 約25,000〜40,000円 |
| 入場料・記念スタンプなど | 約5,000円 |
| 合計(現地分のみ) | 約8.5万〜15.5万円 |
※航空券は含みません(スイス旅程に組み込む前提のため)。物価はスイスとほぼ同じで、決して安くはありません。ただし1泊2日なので総額は抑えられます。切手博物館は無料、城の見学も無料で、観光にお金がかからないのは助かるところです。
よくある質問
持ち物チェックリスト
- パスポート(記念スタンプを押してもらうので、必ず持ち歩いて)
- 歩きやすい靴(城への道は30分の上り坂)
- 抱っこ紐(城への坂道ではベビーカーが使えません)
- 上着(丘の上は風が強く、マルブンは夏でも冷えます)
- 飲み物(城には売店がありません)
- クレジットカード+少額のスイスフラン
- 変換プラグ(スイスと同じJタイプ。Cタイプが使える場所もありますが要確認)
- 折りたたみ傘・常備薬・モバイルバッテリー
まとめ
リヒテンシュタインの魅力は「小さいのに、ちゃんと国であること」です。丘の上には本物の君主が住む城があり、王室のぶどう畑があり、切手で世界に知られた歴史がある。面積160km²の中に、国としての要素がすべて詰まっています。
正直に言えば、2泊3日では持て余します。でも1泊2日でスイスの旅程に足すなら、これ以上ないほど満足度の高い寄り道になります。入国審査のない国で、パスポートに記念スタンプを押してもらう。それだけで、子供にとっては忘れられない1泊です。
この旅行はこんな家族におすすめ:
- スイスやオーストリアの旅程に1か国足したい家族
- 「行ったことのない国」に惹かれる家族
- 人が少なく、のんびりした場所が好きな家族

ホテルは早めに予約、バスの時刻を確認、記念スタンプは忘れずに。この3つを押さえればOK。すてきな小国の旅を!

